英語リーディングの探究

古典と報道記事を精読する

本書のテーマは、英文の「事実関係」と「著者が何をイイタイのか」を正確につかむこと。著者はリーディング教材でお馴染みの薬袋氏。

思考力を磨く英文精読講義」と同様の精読ガイドで、続編に位置づけられていてる。

英文素材は、二つのPartで大きく異なる。Part1は、古典から抜粋された25の英文。Part2は、Newsweekの科学記事・社会記事を各1篇。

各英文には、「下線部を和訳しなさい」「・・によって何が言いたかったのか説明しなさい」「・・が複数形になっている理由を説明しなさい」といった設問がつく。

これらの設問によって注意すべきポイントを示し、解説を読んだときの学習効果を高めている。

正しい読解のプロセスを示す

本書は、正しい読み方を単に示すのではなく、そこに至るプロセスを伝えている。どのようなプロセスで間違え、どのようなプロセスで正解に至るのか。そこが書かれている。

たとえば、Part2の科学記事では、こんな内容があった。

The tumor-to-be is stopped dead.

この英文を正確に読めるだろうか。The tumor-to-be は「将来ガンになる可能性のある細胞」のことだが、is stopped deadの部分を正確に読めるかどうかが問われる。

なんと、この一文を読むために8ページを費やして、次のようなプロセスを示している

(普通に読んでしまうとありがちな)間違った読み。
→ deadを形容詞で読むと文法的に間違い。
→ deadが形容詞でないとすると副詞だが、このことは5文型から導かれる。
→ 実はdeadを準補語として読んでも文法的に正しいのだが、そうなると後に続く文章と矛盾をきたす。
→ ゆえに正解は副詞で読むことになるが、となると意味はどうなるか。

このように順を追って正しい理解へと導いていく。たった一文を正しく読むために、これだけのアプローチが必要となる。

大切なのは、疑問を持つことだろう。上記の英文を「死滅する」と読んでしまったときに、「本当にこの読み方でいいのか」と疑問がもてるかどうか。

自分の読み方に疑問を持てないと、読んだ気になっているだけの「勝手読み」へと陥る。本書のような精読教材は、勝手読みから抜け出るきっかけになるはずだ。

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