パラグラフ・ライティング入門

パラグラフ・ライティング入門

著者:橋内 武
出版:研究社出版
発行日:1995/08

パラグラフ(段落)とは、複数のセンテンス(文)で構成された塊のこと。

「1つのパラグラフには1つの主題がある」というのが文章の基本になる。

本書は、英文ライティングの根幹となるパラグラフライティングについて解説している。

論理的な文章の大前提

小学生の頃、作文の授業で「1つの段落には1つの主題(メッセージ)がある」と教わったはずなのだが、覚えているだろうか。

段落とは、(原則的には)1つの主題を表現するために、複数の文をまとめたものなのだ。

英語は論理を重視する言語なので、そこから一歩踏み込んでいる。「1つのパラグラフには、1つの主題とその根拠がある」と。

パラグラフ・ライティングの核心は、主題とその根拠をセットにして書くところにある。

つまり、パラグラフは次の2つで構成される。

  • 主題文(トピック・センテンス):書き手が一番言いたい意見・考え
  • 支持文(サポート・センテンス):主題文を読者に納得してもらうための実例・証拠・理由

本書では、主題文と支持文の関係(パラグラフの展開)を18パターンでまとめている。空間配列、時間順序、原因・結果、列挙、例示、定義、類推、比較、意見と理由など。

根拠不明の文章を書かない

誤解のないように言いたいのだが、上記は文章(エッセイ)の話ではなく、1つの段落(パラグラフ)の話である。

たった一つの段落においても、根拠不明の文章を書かない。論理的な文章は、まさにパラグラフが基本なのだ。

要するに、パラグラフ・ライティングとは、「一つ主張したらその根拠を書く」を徹底したトレーニングだと考えることができる。

本書は、「入門」というだけあって幅広い話題を網羅している。発展編として「エッセイの書き方」もあるし、応用編として「パラグラフ・リーディング」や「スピーチへの応用」の話もある。

しかし、もっともコアとなるのは上記18パターンの範例編。1つのパラグラフをどのように書くか。そこがライティングのベースになる。

パラグラフ・ライティングは、論理的に書くための最初の一歩だと考えられる。英語で文章を書く人は、一度はパラグラフ・ライティングの本を読んでおきたい。

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