音読で鍛える英会話

筋肉を鍛える講師

著者の岩村圭南氏は、NHKラジオ英語の元人気講師。2000年代に入ってから、「レッツスピーク」「徹底トレーニング英会話」「英語5分間トレーニング」を担当していた。

すべての講座に共通しているのは、「筋肉を鍛える講座」のキャッチコピーが示すように、声に出すトレーニングを目的としていたこと。音読、オーバーラッピング、シャドーイングなど、トレーニングに特化した講座になっていた。

著者はNHK講師になる以前から、声に出す練習を提唱している。「リピーティング」という言葉は、1990年代末に著者が普及させたと考えられる。

音読しやすい教材

「音読で鍛える」というタイトルにあるように、本書も声に出して練習するための教材。(音読もリピーティングの一種なので、以下「リピーティング」と呼ぶ。)

レベルは比較的やさしくて、中学2年~3年あたり。幅広い人に有用なレベルといえる。

本書の特徴は以下の3点。

1.短めのセンテンス

著者が担当していたNHKラジオ講座とも共通しているが、英文のセンテンスが短めになっている。

長いセンテンスだとリピーティングの負担が大きくなるので、あえて短めの英文を選んでいる。切れのいい短めのフレーズによって、リズム良くトレーニングできる。

2.機能表現を学ぶことができる

会話において、特定の目的を達成する表現を学ぶ。賛成する、反対する、誘いを受ける、依頼する、言い訳をする、許す、尋ねる、提案する、勧めるなど、全部で60シーン。

英会話で抑えておきたい有用な表現ばかりなので、意欲的にトレーニングできるはずだ。

3.同じ英文でモノローグとダイアローグ

リピーティング練習は、モノローグ(独白)の方が練習しやすい。ダイアローグ(会話)だと一人二役になったり、間があいてしまう。モノローグなら連続的に(一方的に)発声できるため、リズム良く進められる。

そこで本書では、一気につなげて読んでも違和感のない英文が5センテンスほど収録されていて、最初にモノローグとして練習する。その後、同じ英文を使って、より実践的なダイアローグ練習へと移る。見事な工夫になっている。

ということで、本書は良心的なトレーニング教材。

巷には、音読用の教材と言いつつ、何の工夫もない教材が多い。単に英文と音声があって、「さあ勝手に音読してください」という雑な教材が多いのだ。

それらに比べて、著者はリピーティングを普及させた第一人者だけに、トレーニングしやすい工夫を盛り込むことができる。小さな工夫に見えても、学習者にとっては大きな違いに感じられるはずだ。

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