名言だけで英語は話せる!

名言だけで英語は話せる!

著者:菊間 ひろみ
出版:幻冬舎
発行日:2016/2/10

すべての例文に名言を使った英語教材。

話すための基本文法を一通り学習することができる。

「話すための英語」という軸

本書の狙いは以下の言葉に集約されている。

自分の言いたいことが英語でスムーズに言えるようになること

以下のように、英語を話す「基本の型」を学ぶ。

  • 習慣について話す
  • 物事の真理について話す
  • 可能性について話す
  • 〜するためにと目的を言う
  • 〜する限りと条件を言う

要するに、基本文法と構文を学ぶわけだが、文法用語を前面に出すことなく、「言いたいことを言うため」という軸がある。

スピーキングの橋渡しになる。膨大なパターンプラクティスはやる気にならない、という人でも本書ならやる気になるはずだ。

名言のメリットは、暗記とモチベーション

本書の例文はすべて名言になっている。名言以外の英語は、本書に含まれていない。

たとえば、「想像上のこと・現在の事実に反することを仮定する」の章を見てみよう。「仮定法過去」のことだが、スムーズに話せる人は少ないはずだ。

この章で出てくる例文(名言)の一部。

If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
今日が人生最後の日だったら、今日これからやろうとすることをしたいと思うだろうか?
(スティーブ・ジョブズ /  アップル社の共同創業者)


We would accomplish many more things if we did not think of them as impossible.
不可能だと考えなければ、私たちはもっと多くのことを成し遂げられるだろう。
(ヴァンス・ロンバルディ / アメリカのプロのアメフトチームを率いた名将)


If you realized how powerful your thoughts are, you would never think a negative thought.
思考がいかに強力な力を持っているかを知っていたら、ネガティブな考えを抱くことは決してないだろう。
(ピース・ピルグリム / アメリカの平和活動家)

暗記したくなるような名言ばかりだ。

そして、例文を暗記しておけば、文法の解説も頭に残るし、一部を変えて自分でも話せるようになる。仮定法過去を話せるようになるためには、そういったステップが欠かせない。

例文に名言を使うのは、なかなか効果的ではないだろうか。

名言愛が伝わる

本書は、文法を解説する部分よりも、1つ1つの名言について感想をざっくばらんに語っている部分が多い

英語の名言を一緒に楽しむような本なので、こういった親近感も魅力のひとつ。

ときどき名言家になりきったような説教臭い文章が目につくが、そこはスルーしよう。

英語の名言をたくさん集めて、それを文法別に編集するのは、けっこう大変な作業だったはず。良い名言だけを収録しようと思えば、なおさら大変になる。

素晴らしい英語名言を共有したい、といった思いが伝わってくる。

英語学習は素材が命

本書を読んでいて、高校の文法の教科書でも名言を使ってほしいと思った。学生の学習意欲が格段に高まることは間違いない。

「つまらない例文」で英語を学ぶのは、そろそろやめにしてはいかがだろうか。

英文素材そのものに魅力がなければ、英語の勉強なんてやる気になれないはずだ。

英語の上達は、良い素材を選ぶところから始まる。素晴らしい名言に触れてみて、つくづくそう思った。

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