英単語は覚えるな!

英会話のコツは「言い換え」にある

TOEICでスコア900に達しても、英語で話せない人は多い。その一方で、中学英語のレベルなのに英語で話せる人がいる。この違いは何だろうか。

本書では、パラフレーズ(言い換え)に注目する。英会話ができる人はパラフレーズ(言い換え)できる人だという。

たとえば、「彼は足が速い」と言いたいときに、「足が速い」を英語に直訳しようとするから話せない。「彼は早く走れる」なら簡単な英語になる。

伝えたい内容(「足が速い」)の英語がわからないなら、自分の知っている英語(「早く走る」)に言い換えることが大切。

もちろん、これは英会話の基本であり、過去にレビューした教材でも同様の主張をしている。たとえば、「同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング」「直訳にこだわらずに英語を話してみませんか」「ヤスの英語」など。

本書の特徴は、パラフレーズ(言い換え)のポイントを公式化していること。言い換えパターンを19通りに整理している。

すぐに使える英会話のノウハウ

いくつか具体例で見てみよう。

パラフレーズ公式2は、「名詞→動詞(形容詞)+副詞」というもの。

「ここは、携帯電話は圏外です」

これを英語で言いたいとき、どうすればいいだろうか。「主語と動詞で表現できないか。副詞を加えることで表現できないか」と考えてみる。「圏外」という名詞を「携帯電話は使えない」と主語と動詞で言い換えればいい。

「ここでは携帯電話は使えない」
You can’t use your mobile here.

これは実に大切なポイントで、日本語の名詞をそのまま英語にしようとするとまず話せない。恐妻家、初任給、出不精、四面楚歌などの例題が掲載されているが、主語と動詞で表現すれば簡単な英語になる。

その他、パラフレーズ公式13の「反対語+否定形で表現する」も重要パターン。「手堅い」が英語で出てこないなら「反対語の否定」で言い換えてみる。「危険が少ない」なら簡単な英語になる。

本書はこういった公式らしいパターンだけでなく、生きたノウハウともいうべき英会話のコツも「公式」に加えている。

たとえば、公式8「代名詞で代用する」では、わからない単語をthat,itで言い換えてしまう。

「寄せ箸はマナー違反です」

これを英語で言いたいとき。「寄せ箸」なんて言葉を英語にしようとすれば話せない。実は、わざわざ英単語にする必要がない。

It is bad manners to eat like that.

英会話の状況を考えてみよう。目の前で外国人の友人が寄せ箸をしていて、それを注意するような状況のはずだ。だったら、指さしながら that で十分なのだ。

本書はこういった英会話のノウハウが見事にまとまっている。一読すれば、「英会話はけっこう簡単かも知れない」と思うはず。英会話に苦手意識をもっている人に強く勧めたい。

「パラフレーズ」に絞れば名著だった

残念ながらと言うべきか、パラフレーズについて書かれているのは本書の半分だけ。後半部分は文法や発音の学習ガイドになる。

そこが見事に蛇足であって、広く薄く平凡な内容が書かれている。著者はいろんな論点を書きたかったのかも知れないが、パラフレーズに絞って書いてほしかった。

前半のパラフレーズの解説に切れ味があって、この部分だけでも読む価値があるから当サイトで紹介した

コンセプトを「パラフレーズ」に絞っていれば、間違いなく「名著」だったのだが。

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